2025年2月25日
※こちらの記事は過去に他のブログで作った
文章を転載しているため、記事作成の日付は
最後に記しています。
※「三」と「四」について
こんにちは。蓬「ミ」塾です。
前回は、「三盤四正」について解説をさせていただきました。
そこで、今回は「三・盤・四・正」と表示されています数字の
「三」と「四」にこだわって、少し考えを述べさせていただきます。
長尾豊喜道長宗家の著『楊式太極拳』には
「自然からの静かなるやわらかき力」との副題が
つけられています。
これは、日々の生活の中で、「静かなるやわらかき力」を
「自然」の中から感じて、日々の生活も、「自ずから、然り」と
せよ、とのご教示と思います。
自然(ジネン/オノズサリ)のアルガママのくらしが、自然の
道理にかなったものになるようにせよ、ということでもあるでしょう。
では、一体、どうすればよいのか、どうすればそうなるのか。
「それには」、また、「それだから」、楊式太極拳を日々、
行ないましょう、ということで、堂々巡りの感がありますが、
同著の付録として楊式太極拳の全ての技の名称が記述
されていて、
「全技をながめてみることも、鍛錬の一環であります」(p142)と
説かれています。
また、「実際にそれを鍛錬しなくても、知識としてながめることで、
楊式太極拳の全体的構造が理解できます」とも記されています
ので、まずは、素直に、小架型の99と大架型81の名称を見て
みることが、師からの求めに応ずることではないかと思います。
99、81の数で、楊式太極拳の全宇宙を現しています。
そして、99、81は3の倍数です。
つまり、楊式太極拳の世界の理解の基本は「3」にまず、注目せよ、
ということではないでしょうか。
楊式太極拳が81式であり、99式であるとするのは、流儀に
よってはこだわっていないようです。
これは、数字の哲学と神秘を考えなかったのでしょう・・・・・。
でも、厳密には、「3」の倍数が武道にとっては重要になってきます。
老子経も、そこは大変にこだわっています(前掲書p143)。
『老子経』の第42篇には、
「道生一、一生二、二生三、三生萬物。 萬物負陰而抱陽、冲氣以爲和」
(道は一を生じ、一は二を生じ、三は万物を生じる。万物は陰を負いて
陽を抱き、沖気以って和を為す)と、あります。
宇宙、森羅万象の理解は、まず、モノゴトを三つに区切ってみること、
これが大切ということですね。
「太極」という混沌の状態から、まず、二つに分けて比較してみます。
「陰」と「陽」とに分類するわけです。これを「両儀」と、いいます。
それぞれをさらに、二つに分ける、都合、三回分析を行ないますと、
四つに分類されます。
それを「四象」と、呼びます。「太陰」「少陽」「少陰」「太陽」で、
陰の中にも陰陽があり、陽の中にも、陰陽があり、一つの
モノゴトの分析を三回繰り返せば、理解が深まる道理が
説かれていますね。
ちなみに、もう一回の分析を行なえば、八つにわけることができます。
これを「八卦」というわけです。
「八卦」は次の八項目に、表示されます。
乾(天)・兌(沢)・離(火)・震(雷)・巽(風)・坎(水)・
艮(山)・坤(地)(ケン・ダ・リ・シン・ソン・カン・ゴン・
コン)です。これを八方向の方位や季節にあてはめると、
「天・地・人」の三才の分析と理解が得られるということに
なります。
そして、陰陽を基準として、虚実や、内外、上下、大小、明暗、
硬軟、軽重、緩急などなどの両極のなかに「中」を置きますと、
より瞬時に、モノゴトの理解が可能となりますね。
大中小、上中下、松竹梅などの「三」です。
欣チャンの「良い子、悪い子、普通の子」というのもこれですね。
空間の最少形は、三角形です。三本の線を三方向から引けば、
三角のスペースが生まれます。また、人体を観察しますと、
「三」という部分でよく理解ができます。
先の三盤にも関係しますが、まず、頭部、体幹部、下肢部に
わかれています。そして、頭部は額、上顎、下顎に、体幹部は
胸部、上腹部、下腹部に、下肢は大腿部、下腿部、足部、
上肢は上腕部、前腕部、手掌部となっています。
手掌や足部もそれぞれ、手根部、中手(足)骨部、指部に
分かれ、指も三つ部分に骨が分かれています。この三部分が
あるおかげで、さまざまな運動が保証されているわけです。
人体の動きは、関節が軸となり、筋肉の収縮と弛緩とで、
行なわれていますが、一つの関節と二つの骨が作用する
だけでは、単に回転運動ができるだけです。これに二つの
関節と三つの骨が連動しますと、円運動が前後左右の直線
運動もできるということで、やはり、「三」という数字に神妙な
感慨をいだきますね。
ちなみに、関節も屈曲伸展(前額軸で矢状面の運動)、
外転内転(矢状軸で前額面の運動)、外旋内旋(垂直軸で
水平面の運動)のいずれかの運動に支配されていますし
、もし、肩関節や股関節に不具合が生じた時には、何となく
おかしいというのではなく、この三つの方向の動きで分析
していただくと、どの筋肉、どの靭帯に損傷がどの程度起って
いるかが理解できますし、また、リハビリテーションを行なう
際にも効果よくできますので、「三」という部分に注目する
ことは大変重要となります。
今回は「三」のところまで、「四」は次回ということで筆を
おかせていただきます。
81式や99式では基礎門、中門、そして、全門のシメは、
いずれも、「搬欄(捶)」、「如封似閉」、「十字手」の三手です。
第1式の「太極予備式」、第2手の「太極起勢」、そして、
81手や99手目の最後の「太極収勢」のそれぞれ、9手を
覚えれば、全門クリアー!
太極拳修行に、まだのお方は、是非、ご3戦ください。 〔ノ〕
2015年3月11日